過去の文化活動のページ

此のページを御覧の方へ 過去の活動内容のメモのようなものなので、冗長なところや読みにくい構成があるとは思いますが御寛恕下さい。一番最近は一番後ろになっています。最新を見る

1 有隣堂カルチャーセンター講座 木材市場見学と家の模型を作る

開催日時平成13年6月9日(土)10時30~12時30
演目 材料を選んで家をたてるー木材と構造
平成13年6月17日(日)10時30~12時30
平成13年7月1日(日)10時30~12時30
会場 6月9日 横浜連合木材市場
6月17日 7月1日 川島材木店
交通、集合場所 6月9日 小田急線鶴間駅集合 下鶴間2444
17日 1日 京浜東北線石川町駅下車徒歩五分 中区山下町118 現地集合

6月9日 タイムテーブル

10:50-11:10 紹介(講師&お客)最近の活動 当講座の目的
11:10-11:30 クイズ と木材の特徴 使われる場所の話
11:30-11:45 市場長からの挨拶
11:45-12:00 市場の中を案内 現場の問屋さんからのお話
12:00-15:00 まとめと次回への振り

講師紹介 早稲田大学仏文科卒業後、2年間のアパレル会社勤めののち、家業を継いで木材業界に入る。資格は、二級建築士 宅建取引主任者

材料を選んで家をたてる事の意味とは

予算にもかぎりがありますが、良い家をたてたいひとがいます。資力の大小によってパッケージ化された商品を買うのでは豊かではないと思う人が多くなっています。自分の本当に愛着のあるものに囲まれて暮らしたいと思った時、こと住宅に関する場合、知識も方法も分からないためにあきらめてしまうのはもったいないことです。

良いとはどういう意味でよいのか。住宅に関する様々な情報が溢れています。情報の優先順位がつかないと混乱するばかりです。当講座では、第一回目として、木材市場の見学を通して、基本的な木材の知識を学びます。また、住宅は世界の森林ともつながっています。私達のたてる住宅が国の水源を守る一助となっている場合があれば、逆にある国の森林を破壊している場合もあります。よい住宅といった場合、環境への影響も考えなければいけません。2.3回目は2時間という短い時間の中ですが、模型作りを通して、各工法の特徴を学びます。精神的な仏道修行に肉体鍛練があるように、情報だけでは、知識はかたよりがちです。手を使って、物づくりの楽しみを体験します。材料を選んで家をたてるもう一つの喜びは物づくりに関わることにあるからです。過去には面倒なことと思われがちだった共同作業としての家づくりは、一式工事の監視者から一歩踏み込んで、ものづくりに関わることの喜びがあります。

木のカットサンプルを用意し、用意した名前を書いた箱にいれてもらう。
栂 ラワン いい桧 桧 杉 松 タモ 欅 防腐土台
それぞれの木の特性 木の写真 街路樹のはなし 

クイズ2
昔の伐採に実際に使った道具をみせて なにに使うかあててもらう
市場長からのお話(山中さん) ようこそのあいさつ 市場の成り立ち
社会情勢と木材の流通の変遷の話し
会議室から移動 市場の中を案内
現場の問屋さんからお話をうかがう 木材の選び方 プロはここを見る 丈夫さ 産地と木質 どれを何につかうのか

講演内容

落語の題目にも見られる通り、過去日本では、町人の旦那が出入りの大工を抱えて 木場に自分の家の素材を選びに行っていました。
それはそれぞれの「分」にあわせた「普請道楽」という楽しみでした。(江戸時代の職人のはなし)
しかし、戦後物凄いスピードで日本の住宅は「豊かに」なってゆきました。
例えば、ちゃぶ台で食事していたのが リビングダイニングに変わり、隙間だらけの木製のガラス戸はサッシになり、 木で出来た家のかわりにクロスとせっこうボードと新建材といわれるもので家を建てるようになりました。
この35年間は幸せなことに、私達は「郊外の一戸建て」「都心の粋なマンション」または、 リビングセットと電化製品というような、全員が共感できる幸せの雛形をもつことができました。
確かに恩恵はありました。しかしその副産物としてはどういうことが起こったのでしょうか。
住宅は景気刺激策や内需拡大のひとつであったので、住宅を供給するシステムも急速に発展してゆきました。
建築業界でも、技術の高さ以外の価値判断が発生しました。住宅はローンが残っている間持てば十分であるというというような 論理も目新しいものでした。効率化産業化された住宅はたくさんの廃棄物を生み出しました。全廃棄物の3/1が建築系であり、 PCBやダイオキシンなどの問題を引き起こしています。これらは御存じのとおり、人間の生殖機能に害を及ぼし未来を奪うものです。
いまも、こうした化学物質の種類影響相乗効果は不明で、こうしたものを避けるために新しい化学物質を使い健康であると喧伝している建材等も多いのです。
この間、(1960-いままで)ほば100%から木材の自給率は20%に低下しました。
何故でしょうか。国産材が高いからでしょうか。いいえ、国産材のほうが今は安いのです。
海を渡って木材を大量に輸送する。コストはもちろんのことその輸送にかかる二酸化炭素の量はたいしたものです。
もちろん環境にはよくありません。高いお金を払って外国の森を涵養しあるいは伐採し、国内の森を荒らさなければ いけない理由はどこにあるのでしょうか。
能率化、市場主義こうした観点でいえば外材と言うのは流通としては扱いやすいものです。
大規模な工場で選別された大径材は乾燥され、目も細かいため、ロスが少ないのです。
未乾燥で間伐材を使ってあり丸みのある国内材はこの点見劣りしてしまいます。かといって 同じ品質のものを国内でとろうと思うと同じコストではできません。とすると 使用には問題がなくても能率主義でいえば、こうしたものを工夫して使うよりも外材を使った方が良い ということになります。けれども、いくら植林しているといっても、過去の蓄積でそういった目の細かい 大径木を手に入れているわけなので、やはり総体としての森林資源は少なくなる、簡単にいえば、同じような 品質の木は得られないのに使い続けているのです。
これを外国からみたらどのように見えるのでしょうか。日本人は世界中から木材を輸入して、 金にあかせていいところだけを買っている、自分勝手な国民だということにならないでしょうか。
しかし、林業しか産業のない国は多い訳で、彼等も私達のように豊かになりたいのです。製材して輸出して雇用を生み出し いままで私達がしてきたように快適な家に住みたいのです。それを私達が環境に悪いからやめろとは言えないでしょう。
森林は全世界的に破壊されてゆくのは容易に想像できます。
ヨーロッパでは産業革命のたった2世紀の間に森林資源は半減しました。
日本の林業は世界の見本となるような優れた人工林を形成する技術がありました。
しかし、経済成長するために多くを輸出する代り、輸入するものとして木材が国策として選ばれた事もあり、このような 自給率にになってしまいました。ヨーロッパのイギリスフランスでは15%、カナダでも30%に過ぎない 森林面積は日本では65%を超えています。もう少し細かくいいますと 日本では密植と間伐というやり方で間伐材はさまざまな用途に利用しながら木材を育ててきたのです。
しかし、なんでも能率ということになりますと間伐材は利用する場所がなくなります。山ではコストをかけられないので 水分の多い材を出荷することになります。市場主義は林業に関する限りあまり良い結果をあげていません。
それは人間のサイクルに自然はあわせてくれないからだと思います。
で、こういったことはちょっと勉強されているかたならばよく知っていることですね。
21世紀を迎えてこうした「豊かさ」にたいしてわたしはもう違うよと思える人がたくさん出て来るでしょう。
だからどうするかが難しいことなのですが、もちろん木をなるべく使って家を建てることはよいことです。難しいことを しなくても木は体に良いのです。コストも、長持ちする家は結局のところ安くつきます。
自分で材料を選んで家をたてるということはそう望めばできることです。庭木を伐採してゴミにしてしまうほかにも 利用法はあります。私は木の伐採ということを実際にやってみて、自然のテンポにあわせるということを 体感しました。生きた木を切って待ち、何か違う形にして側におくことは、謙虚な豊かな気持ちになります。
さて、「普請する」ことは、そのために手間も増えますが、納得して待つとか、工夫するとか、自分にしかない オリジナルなものを作るとか、やっぱり面倒なことでしょうか。そういう選択肢がないと思い込んでいる人が多いですが けっこうこれからはそれが「豊かな」ことに思えます。共通した知識や情報なんて限界があって、例えば自分で選んだ材で 家をたてる、「豊かさ」の価値はひとそれぞれなんだから、と思える人が増えるのは環境にもその人自身にも周りの人にも 悪い事はないのではないでしょうか。そういった人のお手伝いをして、微力ながらも今の木材の流通に関わるものとして 正しい情報を伝えていけたらいいと思います。

第二回

楽しい模型づくり
タイムテーブル
早くきたひとからグループ分け(自分の箱に名前をつけてもらい協力して部材を拾う)
全員が部材を拾い終えたら、今回はどの位時間がかかるかわからないので、手短に説明(30分程度)

先日は遠いところを御苦労さまでした。先回は木材を扱うプロの目から見た適材適所の素材選びということでしたが、色々と構造的なところでわからない用語も出て来たことと思います。また、節ひとつにしても、あるものを問題があるという人も問題がないと言う人もいたり、混乱するところもあったのではないでしょうか。それは、木材は非常にファジーな、人間にもつきあいかたによって全くダメなひととまあいいかと思うことがあるのと同じで非常に程度の定義について曖昧な存在なのです。あとで出て来る品質確定法と言うのはそういう曖昧さを数値に置き換えようと言う試みなのですが、またそれはその時に説明致しますので、今回は模型づくりを通して、ちょっとものづくりの世界を覗きながら、本職の大工さんから話を聞いて、図解やテキストでは分からない家の構造について勉強しようということです。

講師紹介
瀬谷区の岩本工務店さん

伝統的な日本の工法や木割等に詳しい大工さんは少なくなりましたが、そういったことに非常に明るく、また、阪神淡路大震災以来、建築基準法が変わり、金物を多用して計算できる剛性を家に持たせる様になりましたが、そういったことにも非常に勉強でいらして最近の工法を取り入れた伝統的な木工法を推奨しておられます。

各工法の説明
在来工法 特徴 長所 短所v 2*4工法 特徴 長所 短所
丸太組工法
新工法 木質パネル工法 ミサワホーム S*L 三井ハウス等
集成材金物工法

住宅をめぐる法律
品確法
住宅金融公庫の割り増し融資
模型の作り方
やりかたについて
背板と床板に寸法を出す。
組み立ててゆく
ピッチの話

ナンキンハゼプロジェクト 伐採木を生かす

伐採されて 2度目の生を生きる

期間:平成12年夏~

場所:横浜市フェリス女学院(写真は伐採されたヒマラヤ杉とそれを利用して作った万年カレンダー)

校舎建て替えによって切られた木をそのまま捨てるのではなく、生かそうと言う試みです。10数本の木を伐採し、製材所に持っていって、大きさに応じて大きいものは、新校舎の家具に、小さいものは、生徒が彫刻刀や紙やすりで加工できるような形まで加工して、教育に生かしています。現在は横浜雙葉でも校舎改築に伴い伐採された桜の木を使って同様の試みをしています。伐採から利用に至までには様々な工程と時間が伴いますが、うまく利用すれば捨てるところはありません。

家と共に生きてきた木を伐採する。

家と共に生きてきた木を、建て替え時そのままゴミにするのは忍びない。申し訳ない。
民家の伐採の手順を御紹介します。当社では伐採からその木を製品にするところまで責任をもってお手伝い致します。

伐採について

金 額クレーンの入る場所で一本15万~ 製材費、諸経費は別です。
時 期11月ぐらいから 製材品にするための伐採は木が水をあげない11月以降になりますので、他の工事をあわせる事が必要です。
方 法軒まで迫った木は、「吊るし切り」という方法で行います。(写真)
製 材使うものによって切る長さが違いますが、丸太のまま2m以上に胴切りして1年~2年寝かせてから製材します。

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